標準化パワー「NP」とは?
NPとは何か
NPとは「Normalized Power」の略であり、日本語にすると標準化パワーとなります。
こちらはパワートレーニング用語集でも紹介されている用語の一つであり、ワット単位で測定されるパワー値です。
ポイントは平均パワーではなく標準化パワーであるということで、パワー値の平均ではどういった状況でどのような数値が出ているのかが見えてきません。
そこで役立つのが標準化パワーで、こちらは走行中のエネルギー変動を加味した数値として出てくるのです。
そもそも標準化って何?
標準化という言葉を数学的に解説すると「個々のデータを特定の値になるように調整すること」となります。
統計学でよく出てくる言葉であり、数学的には平均値や標準偏差を求めることで数値化します。
パワートレーニング用語として標準化を求めた場合、平均されたパワー値に補正をかけて生理的負荷がどの程度かかっているのかをパワー値で現すようにします。
基本的には出力の変動が大きくなればなるほど平均されたパワーよりも標準化パワーの方が高くなる傾向にあります。
体重での標準化も簡単で、平均されたパワーを体重で割って出た数値が参考値となってくるのです。
平均パワーでは見えない部分が見えるNP
ロードバイクにおけるNPの最大のポイントは、平均パワーでは反映されない走行中のエネルギー変動を明確に捉えることができることです。
数値を平均化してしまうとどんな変化があったのかを数値から見ることは難しく、改善すべきポイントや中止すべき数値を見逃してしまう恐れがあります。
走行中の乱高下するパワーグラフは人が操作する自転車だから発生する数値変動を表したものでありますが、平均パワーにしてしまうとペダルに加わっているエネルギーの変動も消費エネルギーの量も見えてきません。
パワーの出力にはどうしても幅ができてしまい、天候や道の状態やアップダウンやスタミナの消耗でも変わってきます。
ロードバイクにおけるNPの重要性について
NPは走行中に変動するパワー値がどうなっているのかを表してくれるので、パワートレーニングには必須となります。
パワートレーニングでは練習の強度や代謝コストがどうなっているのかを表してくれるので、より強度なトレーニングを行うのには不可欠となります。
平均パワーだけでは見ることができないトレーニングの本質を数値化してくれるため、ロードバイクにおいての弱点を減らし強みをより鋭くしてくれるというメリットがあります。
今までは見えてこなかった部分をより明確にしてくれるのがNPであり、強度の上げ下げを行うトレーニングを本格的に導入したい人にとっても意識してもらいたい用語の一つとなっているのです。