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筋力・心肺を鍛える「LT走」

「LT走」とは何か

「LT走」を一言で解説すると「LT値付近のペースで走る閾値走」になります。
まず、この「LT走」を知るためには「LT値」について知る必要があるのです。
「LT値」とは「Lactate Threshold値」のことでこの値とは乳酸が急激に溜まっていく転換点となります。

人体が筋肉を動かすにはATPという脂肪とグリコーゲンが主成分の化学物質を作りだす必要があり、運動強度が高まるとより多くのATPが必要になります。
しかし、あまりにも多くのATPが必要な状況になるとこの化学物質を作成するために必要になってくる物質が供給過多になってしまいそれが乳酸に変換されるようになるのです。
この供給過多になってしまうポイントがLT値となります。
つまり、乳酸は運動強度が上がると溜まるスピードもアップし、ある一定のラインを超えると急激に溜まり始めて体が重くなり思うように動かなくなってしまいます。

今回紹介する「LT走」は長時間体を動かすランナーやライダーの方々はこのラインを見極めにも役立ちますし、急激な乳酸の上昇が起こりにくい体質にするトレーニングとなっており、長く体を動かす競技に身を置く人たちにとって必須のトレーニングとなっています。

「LT走」におけるトレーニング概要について

乳酸が溜まりにくい体にするこの「LT走」は別名「閾値走」や「テンポ走」と呼ばれており、ぎりぎりしゃべれるぐらいの強度で出来る限り走り続けるようなトレーニングが該当します。
具体的には会話ができるかどうかぎりぎりの強度のトレーニングを維持し続けることになります。
自転車やマラソンなど様々な持久力を培うトレーニングも、この強度を最初から最後までし続けることになるので覚えておきましょう。

プロになるとこの「LT走」を長時間実行することができますが、かなりきついトレーニングなので市民ランナーや市民ライダーの方々は20分から40分程度強度を維持しつつトレーニングをし続けることから始めてください。

「LT走」を取り入れるメリット

「LT走」を取り入れる最大のメリットはLT値付近での運動強度に体が慣れていくことです。
LSDトレーニングのように脂質を効率よく変換してエネルギーにする能力も向上しますし、金持久力や心肺機能の強化にもつながります。
自己回復力の向上など長い時間体を動かすために必要な体に変化していきますので、取り入れて実行し続ければ体の質が大きく向上するのです。

「LT走」トレーニングにおける注意点とポイント

「LT走」はLT値付近のペースで走り続けることが最大の注意点でありポイントです。
そのため、自分のLT値はどこなのかをしっかりとチェックして、心拍数やスピードメーターなどを使って速度や強度を維持し続ける必要が出てきます。

心拍数で判断するときは最大心拍の75~85%程度が推奨されているのでそちらを目安にしましょう。
LT走を意識するならこの心拍数を最初から最後まで保ち続ける必要があるので覚えておきましょう。